【最終回】青色申告をしよう(12)/税務署へ行こう

3月 13, 2022

このシリーズについて

このシリーズは、会計ソフト「やよいの青色申告」を使って、帳簿を作成したり申告書を作成したりする方法を解説していきます。細かいことは抜きにして、「こうすれば確定申告ができる」という一連の手順を解説します。

別シリーズ「白から青申StepUp」では、白色申告と青色申告の違いなども細かく解説しています。これまで白色申告をしてきてなかなか抜け出せない方や、青色申告の本質的な要点などを知りたい方は、そちらの別シリーズも併せてご覧ください。

税務署

確定申告書類の作成、おつかれさまでした。

書類を印刷して、税務署へ行こう!

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税務署に提出する書類

税務署に提出する書類は、青色申告決算書と所得税確定申告書B、そして各種控除証明書です。

青色申告決算書 印刷して税務署へ提出
所得税確定申告書B 印刷して税務署へ提出
各種控除証明書 台紙にノリで貼って税務署へ提出
仕訳日記帳や総勘定元帳などの帳簿 印刷して7年間保管
請求書やレシートなどの証憑書類 7年間保管

青色申告決算書の印刷

まずは、青色申告決算書を印刷しましょう。青色申告決算書の中に、損益計算書貸借対照表が含まれています。

青色申告決算書

1ページに、住所や氏名を入力しましょう。屋号が無い場合は空欄にします。税理士に帳簿作成などを依頼した場合は税理士の情報を入力します。というか、この連載は税理士要らずのフリーランス向け青色申告解説記事ですので、ここまで読んだ人は税理士なんて必要無いよね? よね?

住所氏名

3ページに地代家賃を入力するところがあります。事業所や事業所兼自宅の家賃を支払っている場合は、仕訳の地代家賃と一致するように金額等を入力しましょう。

地代家賃

そして、画面右上の「印刷」をクリック。

印刷

印刷プレビュー画面の左下に「印刷方法」というのがあります。提出用と控用、それぞれ1部ずつ印刷しましょう。

印刷方法

印刷後、1ページの氏名のところにハンコを押すのを忘れずに。

確定申告書B

次に確定申告書Bの印刷です。

確定申告書B

第一表、第二表に住所氏名電話番号など、そして個人番号(マイナンバー)を入力します。住所や氏名などは第一表と第二表でリンクされているので、どちらかに入力すればもう一方に反映されます。

住所氏名
住所氏名

そして、画面右上の「印刷」をクリック。

印刷

印刷プレビュー画面の左側に「印刷対象」というのがあります。デフォルトで第一表と第二表が選択されていますが、それに加えて「添付書類台紙」にもチェックを入れておきましょう。

印刷対象

先ほどと同じく、提出用と控用、それぞれ1部ずつ印刷しましょう。

印刷方法

こちらも印刷後、1ページにハンコを押すのを忘れずに。

各種控除証明書

先ほどの確定申告書Bの印刷のときに、添付書類台紙も併せて印刷しました。

添付書類台紙

マイナンバーカードの写しを貼るように書いてありますが、税務署の窓口でマイナンバーカードを提示する場合はこの写しは必要ありません。

というか、マイナンバーカードの写しを貼ってなおかつ窓口でマイナンバーカードを提示したら、「ここに貼る必要は無い」と言われて剥がされてしまいました。別にチェックがダブルでもいいじゃんって思うんだけど、お役所が「いずれか一方」と言ったらいずれか一方なんです。お堅いですねぇ…。

そしてもう一つの台紙がこちら。

添付書類台紙

ここに、社会保険料(国民年金、健康保険)と生命保険料の控除証明書をノリでぺたぺた貼ります。枚数が多かったりサイズが大きかったりすると、なかなかテクニカルなノリ技術が必要になります。

帳簿の印刷

帳簿と領収書の保存の解説で説明したとおり、

  • 仕訳帳
  • 総勘定元帳
  • 現金出納帳
  • 預金出納帳
  • 経費帳
  • 売掛帳
  • 買掛帳
  • 固定資産台帳

は、印刷して保管しなければいけません。税務署に持っていく必要はありませんが、このタイミングで印刷しておきましょう。

例えば仕訳帳(仕訳日記帳)を印刷する場合は、クイックナビゲータから仕訳日記帳を開き、右上の「印刷」を押します。

仕訳日記帳の印刷

書式を選べるようになっていますが、ぶっちゃけ何でもいいです。我々弥生の民は仕訳データをパソコン上でしか見ません。印刷された帳票は、万が一税務署から提示を求められたときに見せるためのものです。それが見やすかろうが見にくかろうが、知ったこっちゃねェ。

まぁ、どの形式を選んでも、見にくいなんてことは無いんですけどね。

書式

ただ、そこそこの枚数(100枚以上)になるので、A4用紙を大量に買っておきましょう。

税務署へ行こう

もう一度最終確認。税務署に提出する書類は、

  • 青色申告決算書
  • 確定申告書B
  • 控除証明書を貼った添付書類台紙

の3つ。そして、本人確認用にマイナンバーカードも忘れずに。

自分の居住地の税務署の場所をググって調べたら、いざ向かえ、戦いの地へ。しかし焦るな、2019年度分の確定申告の受付期間は2020年2月17日~3月16日なので、それまでパワーを温存しておくのだ。

窓口

これはまぁ税務署によりけり、曜日や時間帯によりけりなんですが、大体「確定申告相談コーナー」と「提出のみの方」に列が分かれていたりします。

確定申告相談コーナーのほうは、確定申告書の書き方がわからない人が税務署職員からレクチャーを受けつつ、うまくいけばそのまま提出もできるという並びの列。

一方、提出のみの方のほうは、最低限のチェックだけして提出して終わり、という並びの列。基本的に、すっかすかです。

列の長さが全然違います。

もちろん、提出のみの方のほうに並びましょう。そして、長蛇の列を成しているあいつらを横目で見ながら優越感に浸るのだ。この優越感に浸るために頑張って確定申告書類を作成してきた。そんな自分へのご褒美。

窓口では、ほんとに最低限のチェックしかありません。住所や氏名が書いてあるかどうか、ハンコが押されているかどうか、などです。金額のチェックとか、ましてや帳簿を見せろなんてことはありません。内容に関する疑義があった場合は、もっと何ヵ月後とか何年後かに、あらためて税務署から連絡が来ます、多分。(連絡来たこと無いっす)

それでも最初はなかなかビビります。書類に間違いがあったらそのまま奥の部屋に連れて行かれて、最悪逮捕されてしまうんじゃないかという恐怖。というか、被害妄想。僕も最初は全然わからなかったので、帳簿を全部持って行きましたよ。そして、滴り落ちるほどの大量の汗。2月の冬の時期だってのに、ねぇ。

納付書をもらおう

開業届を出していなくて、かつ初回の確定申告だった場合、税金を納めるための納付書が手元にありません。そんなときは、窓口での書類提出が終わったタイミングで「納付書ください」と言いましょう。というか、多分向こうから「納付書はお持ちですか?」と聞いてくると思います。納付書を受け取ったら、「どこに金額を書けばいいですか?」と聞けば教えてくれます。というか、黙ってたら向こうから教えてくれる可能性も高いです。

2年目以降は、事前に白紙の確定申告用紙と納付書が送られてきます。

金額を書き込んだ納付書を持って、いざ銀行へ。あとは銀行がうまくやってくれます。間違っても税務署で現ナマを出してはイカンぞ。納付は銀行。これ、大事。

紙の申告かe-Taxか

これまでずっと、紙の申告書類を直接税務署に持っていく方法で解説してきました。しかしIT隆盛の昨今、確定申告はe-Taxによって自宅に居ながらにして行うことができます。

特に、2020年度分(2021年2月~3月提出)以降については、e-Taxで確定申告することによって控除額がさらに10万円増えるお得な特典が付きます。これについては別の記事で解説していますが、慣れてきたらe-Taxのほうが全然ラクです。

それでも僕は、初めの何回かは紙の申告書類を直接税務署に持っていくことをおすすめします。

自分は所得税を自分の手で納めるフリーランスになったんや、これからもっと儲けるでぇ、という意志を再確認できる場所、それが税務署。税金とは一体何なのか。税金という概念の片鱗を、自ら税務署に足を運ぶ事で体験し理解するために、直接行っておいて損は無いと思います。

あとはアレですね、ハンコ押し忘れとかそういう致命的なミスは窓口で指摘してもらえるので、最初は窓口のほうが安心ですね。いきなり初回からe-Taxで電子申告だと、なんか間違ってそうな気がして不安でしょ?

おつかれさま

この記事の執筆は12月。リアルタイムで読まれた方は、まだ確定申告は2ヶ月先の話なので、あまり実感が沸かないかもしれません。今はとりあえず「ふーん」って感じで覚えておいて、1月下旬の所得税確定申告モジュール配布(By 弥生の青色申告)の時期になったらもう一度復習しましょ。

連載「青色申告をしよう」は今回で最終回となります。おつかれさまでした。

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