青色申告をしよう(10)/弥生入力チェック表
このシリーズは、会計ソフト「やよいの青色申告」を使って、帳簿を作成したり申告書を作成したりする方法を解説していきます。細かいことは抜きにして、「こうすれば確定申告ができる」という一連の手順を解説します。
別シリーズ「白から青申StepUp」では、白色申告と青色申告の違いなども細かく解説しています。これまで白色申告をしてきてなかなか抜け出せない方や、青色申告の本質的な要点などを知りたい方は、そちらの別シリーズも併せてご覧ください。
ここまでで仕訳の入力の解説は全て終わりました。でも、データが抜けてないだろうか、重複してないだろうか、金額は間違ってないだろうか、と不安になるかもしれません。
確実な安心感を得るために、どのようにチェックすればいいか。そもそも、どれくらいの頻度でどのタイミングで入力すればいいのか。そのあたりをもう一度おさらいしておきましょう。
オレオレ一覧表
第2回でも解説しましたが、いきなり弥生の青色申告に仕訳を入力するのではなく、まずはExcelなどの自分がわかりやすい方法でオレオレ一覧表を作りましょう。
オレオレ一覧表は、勘定科目ごとに作ります。
それぞれの中身はこんな感じです。
いろいろフォーマットが違うけど、細けェことは気にしねェ。これは俺のためのオレオレ一覧表だ。わかりやすいように好きなように書けばいいさ。
ただし、レシートの無い取引(主にバスなどの交通費)に関してはこのオレオレ一覧表がレシート代わりの証憑書類となりうるので、何に使ったかはちゃんと書いておきましょう。レシートが無く、オレオレ一覧表だけでは不安な場合は、これとは別に出金伝票を書いておくと安心です。
何か取引があるごとに弥生の青色申告を開くのはなかなか面倒です。なので、何か取引があってもとりあえずはオレオレ一覧表にさらさらっと記録することで、気持ち的にワンクッションかませます。
オレオレ一覧表とファイリングをリンクさせろ
ほとんどの取引には、レシートや請求書などの証憑書類があるはずです。それらをファイルに綴じると同時に、オレオレ一覧表に記録します。ファイルに綴じると言っても、クリアポケットに入れたり、封筒にすっぽんすっぽん入れるだけです。
一度ファイルに綴じたレシートや請求書は、取り出すのが面倒です。特に封筒に入れたちっさいレシートなんかは二度と見たくありません。なので、オレオレ一覧表とファイリングをリンクさせることで、「オレオレ一覧表の内容=ファイリングしたレシート」ということになり、確認のためにごそごそファイルを漁る必要が無くなります。
この、オレオレ一覧表に記録する(=ファイリングする)タイミングは、こんな感じです。
売る相手への請求書 | 自分が発行したとき |
仕入先からの被請求書 | 仕入先から請求書が届いたとき |
レシートの無い現金出費 | 覚えてるうちに。または、一旦スマホなどにメモしたものを処理するとき |
レシートのある現金出費 | 財布に溜めたレシートを財布から取り出すとき |
交通系IC | 定期的にWebで利用履歴をチェック |
銀行引き落としやクレジット決済 | 請求書がポストに投函されているのを発見したとき。または、それぞれのサービスのWebページにログインして利用履歴をチェック。クレジットカード利用履歴もチェック |
レシートはある程度財布に溜めてもOKです。それを財布から取り出して封筒に入れると同時に、オレオレ一覧表に記録するクセをつけましょう。今日はちょっと記録する気分じゃないな~ってときは、また明日でもOKです。ただし、溜めすぎると財布が爆発するので、ほどほどに。
電話代、ネット通信料、クラウドサービス利用料などの銀行引き落としやクレジット決済の取引に関しては、それぞれのサービスを提供する会社のホームページで利用履歴を確認できるようになっていることが多いです。そのためのアカウントを作っておきましょう。
ただし、Webで利用履歴を見れる期間に制限が設けられている場合が多いです。3ヶ月以上前のものは見れないとか、1年以上前のものは見れないとか、そんな感じです。閲覧期限が過ぎてしまわないよう、月に1回くらいはチェックしましょう。
オレオレ一覧表は自分の好きな方法で記録するので、とても見やすい。そして、抜けや重複が無いかを簡単にチェックできる。例えば月払いの電話代なら、電話代の記録が必ず12個あるはず。こいつぁワカりやすいぜ。
いざ仕訳日記帳へ
取引が発生したタイミングで仕訳をするのが、発生主義。一方、現金が動いたタイミングで仕訳をするのが現金主義。
青色申告では発生主義に基づいて仕訳を行うわけですが、それはつまり、請求書やレシートの数だけ仕訳を入力すれば全ての仕訳が完了するということ。そして我々は既に、請求書やレシートの数だけオレオレ一覧表に記録をしている。
要するに、ちょっと暇な日などのような自分の好きなタイミングで、オレオレ一覧表の内容通りに弥生の青色申告に仕訳を入力すればいいということになります。おお、なんと素晴らしい。
オススメは、月1入力。月に1回くらいなら弥生の時間をとってもいいんじゃない? ただ、どこまでの仕訳を入力したかをはっきりさせるために、弥生入力チェック表を作っておきましょう。
例えばオレオレ一覧表に3月までの取引を全部記録し終わった後、4月中旬くらいになって、そろそろ弥生に入力すっかなーって気分になったときに、3月の仕訳を入力します。
ここで一つ注意点。オレオレ一覧表に既に4月の記録がいくつかあったとしても、3月の仕訳を弥生に入力するときは3月の日付の分だけを入力します。「3月分の入力をするぞ」と決めたときには3月分の入力だけをして、弥生入力チェック表に「済」を書きましょう。
上図のチェック表に借方勘定科目とか貸方勘定科目とか書いてあるのは単なるメモです。慣れないうちはどの勘定科目で仕訳するのか忘れがちなので、こうやってメモっておきます。
1ヶ月ずっと忙しかったら、まぁ2ヶ月分一気にやっちゃっても全然大丈夫です。っていうか、1年まとめてやっちゃっても全く問題ありませんが、たまに弥生に触っておかないといろいろ忘れてしまうので、月1くらいがベストかな~と思います。
まとめ
うっとうしいレシートの束は、オレオレ一覧表とファイリングをリンクさせることで解決
仕訳の入力は月1で。何月分まで入力したかは、弥生記帳メモで管理
そして最終確認はおなじみの、青色申告決算書(損益計算書)。
オレオレ一覧表での金額の合計と、損益計算書のそれぞれの勘定科目の金額が、ここでちゃんと一致しているかどうか確認します。もし一致してなければどこかが間違っているので、訂正しましょう。もちろん我々弥生の民は、Delete+BackSpaceでダイレクト訂正。
このように何重にもチェックできるので、もう仕訳は怖くありません。
ね、簡単でしょ^^
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