オンラインサロン信者の末路(中編)

8月 15, 2020

僕のtwitterのタイムラインに現れた異質の存在、K氏。彼もまた、オンラインサロン界隈の鉄板課題である「ブログ」を書いていました。サロンでブロガーとしてのノウハウを伝授されているであろうK氏のブログを覗きに行った僕が、そこで見たものは…

この記事は前編の続きです。前編は↓こちら。

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起承転結の無いブログ

僕はそれまで、ブログというものを意識したことがありませんでした。とはいえ、友人の中には自分の日記的な意味で収益化していないブログを書いてる人も居ますし、仕事柄技術的な情報を検索したときに誰かのブログに行き当たることもあります。

でもそれは「ブログ」というよりは「誰かの日記」「技術情報のサイト」「面白いページ」くらいの認識でしかありませんでした。アフィリエイトって言うの?なんかそういう感じの広告を貼ったらお金が入ってくる的な? くらいの知識は頭の片隅にありましたが、どのような仕組みで収益化されてるかを考えたこともありませんでした。

しかしK氏が僕のtwitterのタイムラインに現れるようになってから、K氏のツイートやtwitterのプロフィールでやたらと「ブログ」「ブロガー」という言葉を目にするようになり、気になり始めました。

K氏は口を開けば「ブログ書く」「ブログで稼げるようになりたい」などと言い、SEO?とかいう専門用語もたまに使ってきます。プロフィールには「ブログで月20万稼ぐまでの奮闘記」みたいなタイトルでリンクが貼られています。

それは多分、僕が今まで思ってたような非収益化のただの「個人ページ」とは違う、何か人を惹きつけるような記事が書かれたブログなのだろう。広告収入で「稼ぐ」というのはそう簡単なことじゃないはず。だとすれば、何かきっと面白いことが書かれているに違いない。

そう思って覗いてみました。原文は載せませんが、大体雰囲気はこんな感じでした。

必見!寝坊しないための3つのコツ
寝坊しないための3つのコツを紹介!
1.寝る前にコーヒーを飲まない
寝る前にコーヒーを飲んではいけません。
2.早く寝る
早く寝ましょう。

最強月収7桁ブロガー校長×プログラマー @abcdefg0123
昨日久しぶりに早く寝たんだけどさ、今日の目覚めがとても良かったんだ!
副業で稼ぎたい人は真似するといいぜ!
(※という誰かのツイートの埋め込み)


3.目覚ましを2つかける
目覚ましは2つかけるといいですね。

(※目覚まし時計の商品の画像と、商品へのアフィリエイトリンク)

4.まとめ
寝る前にはコーヒーを飲まず、早く寝て、目覚ましを2つかければ寝坊しなくなります。

ふむふむ。で、本文はどんな感じかな? って思って下にスクロールすると、なんと! これで終わりなんですよ!

え、ちょ、何を言ってるのかわからない…。本文書き忘れたのか? いやそうじゃない、これで全てなんだ。これで全て? え? まだ何も内容を言っていないのに???

どの記事も大体こんな感じでした。これはもうクォリティが高いとか低いとかいう問題じゃない。クォリティが無いんだ。何も書いてないに等しいものを、一体どう評価しろというのか…。

起承転結の全く無い、箇条書きだけの3行ブログ。どうしてこうなってしまったのか…。ブログど素人の僕でもわかる。これは無い。ありえない。どんな仕組みでブログから広告収益が得られるのかは知らないけど、この記事から収益が発生することが無いということだけはハッキリとわかる。

実際K氏はいつも、「今月の収益は1円でした」というようなことを言っていました。一応ブログの収益化についてご存じ無い方のために言っておくと、最初は誰でも0円とか1円です。それ自体は必ずしも低い数字とは言えません。それだけ、ブログで収益を得るというのは難しいことなんです。

しかしK氏の場合は事情が違います。少なくとも2年はオンラインサロンに月額を払い続け、サロンでの最重要課題である「ブログを書いて収益を得る」ということの手ほどきをさんざん受けてきたはずなのに、これではあまりにも…。

K氏はtwitterのフォロワーを増やすことには力を注いでいたようで、この当時1400人くらいのフォロワーが居ました(僕は当時350人程度)。フォロワーを増やすことがサロンで学んだノウハウであり、ブログ収益のための大切な要素であると、彼はいつも言っていました。しかしそれでも月収は1円。これはK氏のやり方が悪いのだろうか? それとも、ブログという世界は、フォロワーを1400人に増やしたくらいでは収益化が難しい世界なんだろうか?

その時の僕にはブログの知識が無かったので、わかりませんでした。わからないなら、体験してみて詳しく知る必要があるよなァ!

僕がブログを始めた理由

そしてここへと繋がります。

僕はオンラインサロンのようなところでブログの手ほどきを受けていません。収益化のための有効なテクニックも知りません。ネットで検索できる範囲でそれらを少しは勉強しましたが、書籍を買ってまで勉強しようとは思いません(今でもしてません)。

さらに僕のtwitterアカウントはフォロワー数350人程度(当時)。しかも、twitterからブログへ誘導するような振る舞いは一切してません。ぶっちゃけ、クソツイとクソリプだらけですw プロフィールに「月収何桁」だの「継続は力なり」だのとキラキラした言葉も入れていません。

でも、これだけは言えます。あの箇条書き3行ブログよりはまともなものが書ける、と。

僕は別にそれほど文章がうまいわけでもないですし、今でも文章力を向上させようという特訓はほとんどしてません。一般人と同じ程度です。でも、箇条書き3行よりは絶対マシだ。

そんな感じの僕のスペックでブログを書いたら、果たしてどれくらいの収益が得られるだろうか。やはりフォロワーは最低1000人居ないとダメなんだろうか? それともフォロワー数なんてものは関係無いのだろうか?

それを知るための実験。僕がブログを始めた理由はそれでした。もう少し正確に言うなら、オンラインサロンなんかに傾倒しなくても、しっかりと時間をかけて勉強してブログに取り組めば、そこそこ我流でも3行ブログには勝てる。…ということを証明することが僕の第一の目的でした。

僕はブログで稼ごうなんて気持ちはさらさら無く、ただK氏の「月収1円」を僕のやり方で超えられればそれでいい。なんとも志の低い目標設定ですが、まぁいいじゃないですか。大幅にK氏を超えることができれば、その結果を突き付けて「オンラインサロンなんて無駄!」と言い放ってやればいい。

そういう経緯で始めたブログなので、twitterとの相乗効果はほとんどガン無視でした。僕のフォロワーの9割以上はゲームアカウントだというのに、連日消費税と確定申告を扱った記事を投稿する僕。まぁハッキリ言ってズレてますw でも、ズレてるくらいがちょうどいい。それだけズレててもなお、箇条書き3行には勝てるはずだ。

水面下でスタートを切った僕。100記事目に到達したときに僕のブログの真の意味を明かすということにして、最初は黙々と消費税の記事ばかりを書きました。

最初は僕も月収1円とか2円という初心者への洗礼を浴びましたが、徐々に2桁、3桁と増えていきました。もうとっくに箇条書き3行が居るようなステージは脱出しています。そこでヤメてもよかったんですが、んー、なんかブログ書くのが少しずつ楽しくなってきましてね。ペースは落ちてますが、趣味の範囲で細々と続けたいと思っています。もう、K氏なんかどうでもよくてw

全てオンラインサロンの真似事

さきほどのK氏のブログの例をもう一度見てみましょう。絶望的にクォリティが無いことはとりあえず置いといて、記事(と呼べるほどでもないですが…)の構成を紐解いていきます。

まず、「必見!○○のための○個のコツ」という形のタイトルになっています。いかにも、何か大手企業の広告のキャッチコピーのような構文になっています。「必見!」で目を引き、「○個の」と具体的な数字を入れる。

セクションごとにできるだけ画像やツイートの埋め込みを入れるようにしているのも特徴的です。文字で威圧するよりも、画像で目を引こうという作戦でしょうか。

そして最後に「まとめ」。長い記事だと途中を飛ばして読んだりすることもあるので、最後にしっかり簡潔にまとめて、筆を置く。

僕はブログの手ほどきを受けたことが無いので詳しくはわかりませんが、おそらくこれらの手法というか構文は、ホワイトブロガーさん(※虚業師界隈に属しない、真っ当なブロガーさん)でも多用しているテクニックなのではないでしょうか。

K氏もおそらくサロンでこのような手法を学び、実践しているのだと思われます。

でも、でもなぁ、それは中身が伴って初めて生きるテクニックなんやでぇ…。

既にインフルエンサーとして知名度のある人や有名な大手企業などは、このような誇大広告気味の煽り構文を使ってさらに効果を上げることができると思います。でも、どこの馬の骨ともわからない一般人が「この記事はすごい!」と言わんばかりのキラキラ構文を使うと、逆に胡散臭くなるんですよ。

誤解の無いように言っておきますと、僕もその「どこの馬の骨ともわからない一般人」のうちの1人です。だから、こんな胡散臭いキラキラ構文は使いません。表面をキラキラさせたって、中身が伴ってないとダメですからね。

K氏の普段のツイートの例も見てみましょう。

副業月収20万挑戦中インフルエンサーK @kkkkk
【会社からの帰り道で思った2つのこと】

・駅から家まで歩くのがしんどい

・途中のコンビニでアイスを買って食べるとおいしい

たったこれだけのツイートに、キラキラ構文てんこ盛りです。まずアカウント名に「月収○○万」という文字。ほんとは月収1円だけど、「挑戦中」と言えばウソじゃない。そして、とりあえずインフルエンサーとか適当にカッコイイ言葉を入れておく。

本文には、出ましたよ、先ほどの「○個」テクニックが。それらを箇条書きにし、忘れず改行もしっかり入れて、見てる人の目を引くような努力。

K氏はそのようにして、ブログでもtwitterでも、サロンで学んだ「キラキラ構文」をそのまま使っています。どういうときにどういう効果が表れるのかも考えず、ただ表面的な構文を真似しているだけ。完全に思考が停止していますね。

この程度の普通の文章なら、普通に思った通りに書いたほうが人間らしさが出ます。というか、人間というのは頭で思ったことをそのまま書き綴れば、当たり前のことですが、人間らしい文章になるんです。しかしK氏はそこにキラキラ構文というコーティングをしてしまい、人間らしさを消し去ってしまっています。何か、ロボットがツイートしてるかのような印象を受けますよね。

前編でも言いましたが、K氏はサロンで金銭だけでなく、「自身の価値観」を搾取されてしまっています。価値観というのはすなわちその人の人間性であり、その人を構成する「魂」そのものです。魂をサロンに売り渡してしまったK氏の口から出る言葉は、こんなにも空虚なものになってしまいました。

わずかな収益さえも偽る

K氏のブログへのリンクテキストはころころ変わりますが、大体「副業で月20万稼ぐまでの奮闘記」みたいな感じです。これだけを見ると、既に月20万稼いでいて、そこに至るまでの努力や経験を紹介していくブログなのかなと思ってしまいます。しかしそうではありません。ただ単にその挑戦が進行中というだけのことです。

この手の事実誤認を誘うタイトルの付け方は、他のサロンメンバーにも多く見られます。このように「数字はできるだけ盛れ。読み手に勘違いさせろ。なんならウソの数字を書いてもいい」という手法もまた、サロンの主催者がメンバーに教えている悪しきテクニックのうちの1つなのでしょう。

さて、ここに興味深いK氏の2つのツイートがあります。まずは2019年5月頃のもの。

副業月収20万挑戦中インフルエンサーK @kkkkk 2019年5月×日
【本日の成果物】

うぉぉぉ収益きたぁぁぁあ
これはうれしい!

次に、2020年1月頃のもの。

副業月収20万挑戦中インフルエンサーK @kkkkk 2020年1月×日
\ 初めてブログで1日だけで9円稼げた!/

ブログを始めて1年半

ほぼ毎月1円だった…

でもコツコツやっててよかった!

おわかりいただけるだろうか。

2019年に一度、1日74円の収益が発生している。にもかかわらず、それより後の2020年1月に、「初めて1日で9円稼いだ」と書いているわけだ。

お前、ウソをついてるな? 俺は汗を舐めればそいつがウソをついているかどうか(以下略

サロンでは「数字を盛れ。なんならウソをつけ」という主催者のありがたい教えが日常的に説かれている。そんなサロンで倫理感も価値観も失っていたK氏は、ブログ収益化から2ヶ月経った2019年の5月、毎日0円ばかりの収益結果を恥ずかしく思い、ついつい「74円の収益があった」とウソをついてしまった。

そして2020年1月。ずっと月収1円行進だったのが急に初めて1日9円の収益が入ったので、ついうれしくてツイートしてしまった。過去に自分がどんなウソをついたのかをすっかり忘れてしまったまま…。

これだけなら何かの勘違いかもしれません。推定収益というのは稀にリジェクトされることがあるらしいので(僕はまだ食らったことないのでよくわかりませんが)、後になって74円が取り消されたのかもしれません。まぁそれならそれで、後で訂正報告しないあたりがダメなんですけどね。

しかし、K氏の虚言癖にはもう1つエピソードがあります。

それはある日の、K氏の奥さんのツイート。

(※名前は伏せます) @abcxyz999
滅多に見ない主人のツイートを見てみたら、ウソばっかりで悲しくなりました。これからは見ないようにします…。

補足しておくと、奥さんはしっかりとした定職に就いていて、普通に真面目でまともな方です。夫婦でサロンに入るなどという愚かなことはしていないですし、twitter自体も趣味程度にしか触っておられません。

このツイートからはどんなウソだったかは不明ですが、時系列的におそらく、K氏が「今日は娘と遊んだ」という子供の世話をする良き父アピールをしたときだったと思います。しかし奥さんに言わせれば、そんな事実は無かった。そりゃぁ悲しくなりますよね。お察しします…。

本来なら「アリーヴェデルチ(さよならだ)」と言って夫のもとから離れたくなるくらいのウソ。なのに、今でもダメな夫を支えておられる姿には同情を禁じえません。

全てはオンラインサロンが生んだ悲劇

表面的な構文テクニックをなぞるだけでいいと教えるサロン主催者。ツイートは画像や埋め込みを多用して5分で仕上げろ、時間をかけて金を稼ぐ時給脳から脱却しろ、と教えるサロン主催者。数字を盛れ、ウソをついてでもキラキラした自分をブランディングしろ。

このような誤った教えで洗脳しようとしてくるのは、サロン主催者だけではありません。サロンの幹部達(搾取する側)も、先に挙げたような箇条書き3行ブログに対して何も指導をしません。指導をしないどころか、「わかりやすいです! 圧倒的行動力!」などと言って褒め称えます。

そう、彼らはグルなのです。カモになりそうなサロンメンバーが居れば、このように上手にカモの金銭と価値観を搾取し、自分では何も判断できない骨抜きの人間に仕上げてしまいます。サロンに依存するしか無くなったカモは、ますますサロンに金と自分の魂を売り渡します。

これはまさに、悪徳宗教の構図そのものです。この地獄の構図に絡めとられてしまったオンラインサロン信者は、一体どういう末路を辿るのか…。

後編へ続く

後編では、崖から最後の一歩を踏み出してしまったK氏の末路について語ります。今はまだその崖を転がり落ちている途中の段階ですが、その下に待ち受けるのはその身を滅ぼす固く冷たい地面か、それとも誰も見たことの無い隠された楽園なのか…。

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