e-Taxでできる申請3選

e-Tax(電子申告)は基本的に、所得税と消費税に関する確定申告を自宅からネット経由で電子申告するためのものです。

それ以外にも実はe-Taxでこんな申請もできてしまいます、というのを3つご紹介。いちいち税務署に足を運ばなくてもいいので、すっごく便利です。

スポンサーリンク

e-Taxの準備

※既にe-Taxを利用している方は読み飛ばしてもOKです。

まずはマイナンバーカードとカードリーダーを用意しましょう。

マイナンバーカード
ソニー 非接触ICカードリーダー/ライター PaSoRi RC-S380(e-Tax対応/eLTAX対応 確定申告 マイナポイント マイナンバーカード 交通系ICカード)

そして、e-Tax開始届出書を提出します。Webからでも開始届出書を提出できるので、税務署に行く必要はありません。

また、国税庁の純正e-Taxソフト(Windows版)もダウンロードしてインストールします。当記事で紹介する各申請は、純正のe-Taxソフト(Windows版)でしか行うことができません。ダウンロードページにはWebブラウザ云々と書いてありますが、そのあたりはぶっちゃけ関係ありません(でも、手順通りにセットアップしたほうが無難です)。

こんな申請もできる(1)/開業届の提出

e-Taxでこんな申請もできる! その1は、開業届です。

個人事業主として事業所得を得る事業者・フリーランスは、事業の開始等の事実があった日から1ヶ月以内に開業届を提出しなくてはいけません。

ところが実態としては、開業届を提出していない個人事業主も多数居ます。なんとなくやってた金儲けがいつの間にか「事業」と呼べるほどに膨れ上がったようなケースの場合、いつの時点が「開業」なのかハッキリせず、ずるずると開業届を提出しないまま放置してしまうことがよくあります。

そして何より、開業届の提出が「義務ではあるけど罰則は無い」ということになっているのが、開業届未提出の個人事業主が多い一番の理由です。確定申告をしないのは明らかな無申告という罪ですが、確定申告さえしていれば開業届は未提出でも税務署から咎められることはありません。

それどころか、税理士や税務署でさえ「開業届は出さなくてもいいですよ」と言う場合があります。それはあくまで「無申告という罪にはならない」という意味で言ってるのであって、開業届の提出義務が無いという意味ではありません。

個人事業主たるもの、「誰かが言ったから出さなくてもいいと思った」という言い訳は通用しません。会社の庇護のもとにあるサラリーマンならまだしも、個人事業主というのは全ての法律的・税務的な責任を自分で負わなければならない立場の存在です。

また、何らかの国や民間の制度を利用するときに「開業届を出していることが条件です」と言われることもあります。そんなとき、「出さなくていいと言われたから出してなかった。でもその制度は利用したい」なんて泣き言は誰も聞いてくれません。そんなことにならないよう、開業届は必ず提出するようにしましょう。

前置きが長くなりましたが、開業届をe-Taxで提出する手順を見ていきましょう。

まずe-Taxソフトを開き、「作成」「申告・申請等」をクリックした後、画面右下の「新規作成」をクリックします。

申請書作成

「申請・届出」を選択し、税目から「所得税」を選び、「次へ」をクリックします。

申請書選択

ずらずらっと申請可能な申請書の一覧が出てきます。わりと上のほうに「個人事業の開業・廃業等届出書」があるので、これにチェック(レ点)を入れ、「次へ」をクリックします。

申請書選択

「申告・申請等名」には適当なわかりやすい名前を付けてください。そして右下の「OK」をクリック。

申請書選択

ここで、自分の氏名や住所等の基本的な情報を入力します。マイナンバーカードの中には氏名や住所等の情報が埋め込まれているので、そこから読み取ることもできます。この画面で必要な項目を入力して、最後に「OK」をクリックします。

基本情報入力

e-Taxソフトの「作成」「申告・申請等」の画面で、今作った「個人事業の開業・廃業等届出書」が出てくるはずです。それを選択して、画面右下の「帳票編集」をクリックします。

申請書編集

個人事業の開業・廃業等届出書を模した入力画面が出てきます。若干画面がダサいですが、そこはスルーしてあげてください。これが国税庁の純正e-Taxソフトの限界なんです。許したげて…。

この入力画面には、先ほど入力した氏名や住所などの基本情報のうちいくつかが既に入力済になっています。その他の部分についてもこの画面で入力していってください。

入力が完了したら、右下の「作成完了」をクリックします。ちなみに「保存」というボタンは、入力の一時保存のような意味合いになります。「作成完了」をしないと次のステップの電子署名に進めないので、必ず最後には「作成完了」をクリックするようにしてください。

開業届

申請書の作成が完了したら、「署名可能一覧」の「電子署名」をクリックします。署名可能一覧の中に今作った開業届が出てくると思います。もしこの一覧に出てこない場合は、前のステップで作成完了をしていないということになります。

では、この一覧で今作った開業届を選択して、画面右下の「署名」をクリックしてください。

電子署名

「ICカードを利用」を選択し、「次へ」をクリック。

電子証明書

「公的個人認証サービス(マイナンバーカード)」を選択して、「次へ」をクリック。その後、署名用パスワードを入力して電子署名を完了してください。

マイナンバーカード

電子署名が完了した申請書は、「送信可能一覧へ」の「送信」をクリックしたときに表示される「送信可能一覧」に出てくるはずです。これを選択して、画面右下やや上の「送信」をクリックしてください。

送信

以上でe-Taxによる開業届の申請は完了です。簡単でしょ?

e-Taxソフトを使って申請書を提出するこの手順、「申請書作成」→「電子署名」→「送信」という流れは、他の申請書でも同じです。

こんな申請もできる(2)/青色申告承認申請書

個人事業主が事業所得を得て確定申告をする方法には、簡単だけどメリットが少ない白色申告と、難しいけどメリットの多い青色申告があります。

青色申告を行うには、その年の3月15日までに青色申告承認申請書を税務署に提出しなくてはいけません。例えば2021年度分の申告(提出時期は2022年2月~3月)を青色申告にしたいなと思ったら、2021年の3月15日までに青色申告承認申請書を提出します。

確定申告とか帳簿作成に関してあまり関心を持たれてない人は、年度末の12月とか、もっと遅いと年が明けた1月とか2月あたりから確定申告の準備をする場合も多いかと思います。でも、その時期になって「青色申告にしたい」と思ってももう遅いわけです。次の年の分からしか青色申告にはできないので、そこは諦めましょう。

だからと言って、「今年はもういいや。青色申告承認申請書も面倒だからいいや」と思ってしまうとまた1年ずるずる先延ばしになるので、いつかは腹をくくりましょう。ちょうど青色申告承認申請書の提出期限は、確定申告の提出期限と同じ3月15日です。この際、一緒にやっちゃいましょうよ。

この青色申告承認申請書を提出するには、開業届が提出済みであることが条件です。両方同時に提出してもかまいません。

開業届を出していなくても青色申告承認申請書が受理されたという話があります。このような事例も確かにあるようですが、それは税務署のチェックの「うっかり」を突いただけなので、良い子は真似してはいけません。

その他、青色申告承認申請書の詳細については、青色申告と白色申告の違いの記事をご覧ください。

青色申告承認申請書をe-Taxソフトから提出するには、前章の開業届のときと同じように、まず「作成」「申告・申請等」をクリックした後、画面右下の「新規作成」をクリックします。

その後、「申請・届出」「所得税」を選択し、一覧の中から「青色申告承認申請書」を選択します。

申請書選択
申請書選択

申請書の作成手順も開業届のときと同じです。下図のような画面が表示されますので、入力項目を埋めていってください。

青色申告承認申請書

その後の電子署名→送信という手順も開業届のときと同じです。

こんな申請もできる(3)/消費税課税事業者選択届出書(選択不適用届出書)

例えば2020年の消費税課税売上高が1000万円を超えた場合、その2年後の2022年以降は、消費税を納める義務のある「消費税課税事業者」となります。そのことを税務署に申請するための申請書が、消費税課税事業者選択届出書です。

この届出書の提出期限は、「事由が発生した後、すみやかに」となっています。言葉通りに「事由が発生」がいつなのかを考えると、上の例では2020年12月31日になります。しかし実際には、2020年の売上をもろもろ計算して確定申告書を作ったあとに「ああ、1000万円超えちゃった」とハッキリわかるので、要するに確定申告書の提出日(2021年2月16日~3月15日)に同時に出せばOKでしょう。

この逆で、既に消費税課税事業者だった人の消費税課税売上高が1000万円以下となった場合、「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出することによって、消費税を納める義務が免除される「消費税免税事業者」へと戻ることができます。

例として、2020年の消費税課税売上高が1000万円以下だった場合、その2年後の2022年以降から消費税免税事業者に戻ることができます。この「不適用届出書」の提出期限は、消費税免税事業者に戻る前日、つまり2021年12月31日になります。「適用」のほうに比べて期限の猶予が長いですが、あまり深く考えず、「適用」のときと同じように確定申告書と同時に出しておけばOKでしょう。

消費税免税事業者が引き続き免税事業者である場合や、課税事業者が引き続き課税事業者である場合は、わざわざこの届出書を提出する必要はありません。

消費税の免税事業者・課税事業者についての詳細は、消費税のおはなし(5)/課税事業者の記事をご覧ください。

消費税課税事業者選択届出書(または、選択不適用届出書)をe-Taxソフトから提出するには、開業届や青色申告承認申請書のときと同じように、まず「作成」「申告・申請等」をクリックした後、画面右下の「新規作成」をクリックします。

その後、「申請・届出」「消費税」を選択し、一覧の中から「消費税課税事業者選択届出書(または、消費税課税事業者選択不適用届出書)」を選択します。

申請書選択
消費税課税事業者選択届出書

申請書の作成手順も開業届のときと同じです。例のダサい画面が出てくるので、空欄を埋めていってください。

消費税課税事業者選択届出書

その後の電子署名→送信という手順も開業届のときと同じです。

e-Taxは便利

e-Taxでできる申請は他にもたくさんあり、非常に便利です。ただし、それらの多種多様な申請は、国税庁の純正e-Taxソフト(Windows版)からしかできません。

国税庁の「確定申告書作成コーナー」や、やよいの青色申告などの他社製会計ソフトのe-Tax機能は、所得税や消費税の電子申告にのみ特化されて作られていますので、多種多様なe-Taxの全機能を使うことができません。

「もしかしたらこんな申請もできるかも?」と思ったら、e-Taxソフトを起動して、電子申告可能な申請書の一覧を眺めてみてください。お目当ての申請書があるかもしれませんよ。

スポンサーリンク

確定申告

Posted by 4研DDT