相対性理論とネットゲーム

アインシュタイン

アインシュタインの相対性理論によれば、光の速度より速いモノは存在しないという。情報が伝達する最高速度は光の速度である秒速30万kmであり、それを超えて情報が伝達されるということはつまり、過去や未来に行くタイムトラベルが実現されてしまうことに等しい。つまり、現時点でそれは不可能である。技術的に不可能なのではなく、宇宙の真理として不可能なのだ。

スポンサーリンク

1F=1/60秒

映像と音声で楽しむビデオゲームは、通常60分の1秒が最小単位とされています。60分の1秒の間に「プレイヤーの入力操作の検知→演算→画面表示」という処理が行われています。この60分の1秒を、1F(フレーム)と呼びます。

1フレーム

1/60秒というのはかなり高速なので、1/60秒ごとに画面がコマ送りのように切り替わっていても、人間の目には滑らかな動きに見えます。

昔のテレビは1/60秒ごとに映像が届き、1/60秒ごとに画面を書き換えていました。そのテレビに接続して遊ぶゲームもまた、テレビの仕組みを利用して1/60秒ごとに画面を書き換えています。

画面の書き換え速度よりも速い周期でプレイヤーの入力検知や演算を行っても意味がありません。なので、1/60秒ごとに「入力検知→演算→画面表示」を繰り返せば、ゲームとして成立するわけです。

地球の直径

地球

地球の直径は12,742kmとされています。

では地球1周は何kmかというと、直径に円周率3.14を掛けて、約40,030km。なんか妙に綺麗な数字だと思いませんか?

18世紀、世界にはいろんな長さの単位があって、国によってバラバラでした。これではイカンということで、世界で統一された長さの単位を作ろうということになりました。その決め方が「北極から赤道までの距離の1万分の1を【1キロメートル】と呼ぶことにしよう」というものです。

北極から赤道までが1万km。地球1周はそれの4倍なので4万km。多少の測定誤差はありますが、地球1周がほとんど4万kmぴったりだというのは、キロメートルの決め方からすると当たり前なんです。

1Fに光は何km進む?

光の速度は秒速30万kmです。月までたった1.3秒で到達するというすさまじいスピードです。では、1F(=1/60秒)で光がどれだけ進むのかというと、300,000÷60=5,000。つまり1Fに光は5,000km進みます。ん? 意外と短いな…。

地球の直径は12,742km。ということは、光が地球の裏側に到達するには2F~3Fかかるということになります。光の速度というのは情報伝達の最高速度。これを超えて情報を伝達することはいかなる方法を用いてもできません。それがアインシュタインが唱えた宇宙の真理だからです。

ということは、1Fごとに入力→演算→画面表示を行っているビデオゲームにおいては、地球の裏側とネットゲームをするということは絶対に不可能ということになります。ネットワーク技術力とか回線速度とかの問題ではありません。宇宙の真理として、不可能なんです。

それでもネットゲームはできる

そもそも、情報が伝達されるために常に光と同じ最高速度で伝達されるとは限りません。ネットワークトラフィックなどさまざまな問題があるので、日本国内でも最低3Fの遅延はあるといわれています。

それでも我々はネットゲームをほぼラグがない状態で遊べています。

それには、ゲームメーカーのたゆまぬ努力があります。3Fの遅延があることを前提としたゲーム設計、処理の先読み、適切なタイミングと頻度での同期処理。ネットワーク状況によってもっと遅延が発生した場合でもゲームが破綻しないような処置。

我々はアインシュタインを超えることはできないけども、アインシュタインと共に歩んでいくことはできる。

スポンサーリンク

雑記

Posted by 4研DDT