原子力発電所に行ってきたときの話

僕は仕事柄、いろいろな工場に行くことがあります。その中でも最も話のネタになるのが、原子力発電所。と言っても、危険区域に入るわけじゃないので特に面白いネタもなく、「げんぱつ行ってきたお」で終わるだけの話です。

以下は、今から15年前の日記からのコピペです。原発がどうのこうのというより、なんて言うのかな、自分で言うのもアレなんですが、今より昔の文体のほうが面白かったな、と。mixiに日記を投稿しまくってた当時に比べて、今はあまりモノを書いてません。文章に対する感性ってのはやっぱり、日々の積み重ねで磨くものなんですねぇ。

※以下、2005年9月の日記からコピペ

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エネルギーどかーん!!

土日と、またげんぱつに行ってきました。僕が行かなかった木曜日には、反対運動を展開する漁船団が押し寄せ、あわや銃撃戦か? という一触即発の危機だったらしいです。

仕事場はこの前行ったときと同じ場所なんですが、いよいよ稼動状態に入るということで、入口が違っていました。入口にはボタンを押して入る小部屋があり、そこに小さな機械が置いてあります。これにIDカードをかざし、なおかつ暗証番号を入力して、やっと入場できるという仕組みです。

小部屋に入ると、入口側の扉も今入ってきた出口側の扉も閉ざされます。ここでIDカードを提示しなかったり暗証番号を間違えると、機械に備え付けられている電話が鳴ります。そして本人確認が行われるわけですが、言葉につまったり答えられなかったりすると、はい、どうなるかわかりますね?

密室なので、天井から無数の槍を降らすもよし、毒ガスでじわじわヤるもよし、両側から組合員で囲んで機関銃でハチの巣にするもよし。標的を確実に死に至らしめる方法には枚挙に暇がありません。

実は僕のIDカードは借り物でした。しかも暗証番号の入力はタッチパネルなのでやりにくく、手が震えて間違えてしまったー! 「ブー! 通行できません!」とか画面に出て超焦りましたが、もう一度手順通りにやり直して事無きを得ました。もし2回連続で間違っていたら確実に電話がなっていたことでしょう。そして僕はIDカードの持ち主のフルネームを知らないので、例の特別権力により、存在そのものを消されていたというわけです。

まあなんとか無事に入れたわけですが、前回と入口が違うので、途中の道筋も違います。そこは直径50センチから1メートルもある管が無数に張り巡らされた、まさに「地獄工場」。明らかに自然のものとは違う、生暖かいというより暑い気体が漂っています。管には「高圧給水管」や「廃液蒸発装置→」などの表示がありました。このゲンバでいうところの「廃液」って一体ナンデスカー!!考えるな、俺。理屈で考えちゃいけねェ。

さてさて、そもそもこのゲンバは、いわゆる定期点検の時期に入っています。必要な温度、必要な圧力、必要なエネルギーが出入りしていることを確認するワケですな。もちろん基本的には機械で点検を行うわけですが、必ず目視もしなければなりません。僕はその担当ではないんですが、お客さん(つまり、炉の所有者)にいろいろ話を聞きました。

担当者

たくさんの人を使って目視確認するんだけど、たまに漏れてるんだよネー

はああ!? 何言っちゃってるの、この人ー! だめじゃん。全然ダメ。アンタだめすぎ。俺を早くここから出してください。コロされるーー!!

ま、貴重な体験で面白かったですよ。漁船団の反対運動を見れなかったのは残念ですが。おみやげはもちろん、原子番号が2つくらい減って違う物質に変わったアレとかソレとか。

(※コピペおしまい)

セキュリティは大切に

IDカードのくだりですが、要するに下請けの僕がスポット入構(1日だけ工場に入ったりすること)するためだけに膨大な申請手続きをするのが面倒だったので、元請がそれを怠ったわけですね。申請は元請の責任で行うんですが、「面倒だから私のIDカード貸してあげるよ」ってな感じで。

原子力発電所ということもあり、重機が突進してきても制圧できるような巨大なネットが張られてたりもする厳重な(物理)セキュリティの工場なんですが、他人のIDカードで入れてしまうような足元が疎かなセキュリティってどうなんでしょう? と思いました。

※2020年現在は、漁船団の反対運動の効果もあってか、この原子力発電所は稼動する炉の数を半分にして運転しています。

セキュリティは大切ですね。ご安全に!

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雑記

Posted by 4研DDT