会社を辞める1年前の心境
前回の会社を辞める2年前の心境から数ヶ月。虫もコロさぬにこにこ青年(※当時)の僕が謀反を企てるほどに闇堕ちし、何かあるごとにバチギレするようになる。キレたことなんて今まで無かったのに…。
日記のソースは2010年春。怒りと憎悪が増してゆく…。
※以下、当時の日記を当時の文体でコピペ
登場人物:
社長兼技術職トップ。理解のある人だけど、忙しすぎて経理・経営はCEOに任せっきり。
共同経営者的立場で営業職トップ。社長が忙しいので、経理・経営をほぼ代行。
年上だけど僕より後に入社したので、年上部下。ちょっといろいろ残念。
もう退けぬかもしれぬ
徐々に、不快感をあからさまに表現するようになってきた。
今月はじめに僕が引き金を引いてしまい、来週の金曜日に臨時の会議をすることになった。
今日も社長と相談した。「来週、僕はキレてしまうかもしれません。でも、言わなければならないことは言うつもりです。」
社長は理解のある人だ。だから、僕が何をどう思っているかを全部打ち明けている。そうしておかないと、僕がキレて暴走してしまったときに、誰も止める人がいなくなる。
問題は、些細なことの積み重ねだ。
ウチは小さな会社だから、いわゆるドキュメント類があまり整備されていない。ウチが提供するものは価格が安い変わりに、客先への提出書類がかなり簡易なものになっている。その分を「信頼関係」というもので補い、微妙ではあるけど、一応上手く回っていた。
しかし、さすがに誤字脱字がいくらかある状態での提出はマズいということで、必ず別の人間がチェックして、書類の質を高めようということになった。人間誰しも誤字脱字はあるわけだけど、それを別の人間が見ることで、無くしていこうというわけだ。
今更ながらな感はあるが、それはそれでいい。
以上は前置き。僕が言いたいのは別の話だ。
Mさん(例の年上部下)の作成書類にCEO(社長とは別人)のチェックが入った。曰く、
- 「このように『せ』てください」
- 「Aの『ような』画面が表示されます」
- 「ここ『では』使用できません」
- 「『全開』の値が適用されます」
などなど。確かに、誤字脱字がチェックされている。それは、いい。
問題はその指摘方法だ。これらの誤字脱字の箇所が、ご丁寧に赤色になってる。PowerPointでフォントの色を変えたわけですな。
僕はこれに強烈な違和感を感じた。そんな面倒なことをするくらいなら、その場で訂正すればいいものを。しかも、上記のような訂正箇所を挙げて、メールで一言「再検討してください」とだけ。なんじゃそりゃ。指摘場所によっては、何がおかしいのかわからないところもある。おかしいといえばおかしいかもしれないけど、そういう表現もアリだな、くらいの感じ。
確かにMさんは、日本語が怪しいときがある。それを、この機会に再度考えろという意味もあったかもしれない。それでもなんか腑に落ちない僕は、Mさんに「こんな赤色にするくらいなら、チェックするついでに直せばいいのにねぇ」と言った。これも一つの僕の布陣だ。CEOのおかしいところを、社長やMさんなど、全員に印象付けておく。
そして昨日、僕の書類をCEOのチェックに回した。やっぱり僕も人間だから、何箇所かミスがあった。CEOのチェックはやはり同じ感じ。さすがに赤入れは面倒だからしなかったみたいだけど、メールで「こことこことここがおかしい」とわざわざ書いてきている。
だから僕は返信しときましたよ。
「明らかな誤字脱字は、チェック時に直しておいてください」と、あからさまに不快感を表現して。
しかも、社長へのCC付きで。
実は上のMさんの時点で、この話は社長に相談していた。まず時間の無駄だし、人間のケアレスミスを揚げ足を取るように指摘するのは意味が無いし、そもそも「書類の質を高めよう」という趣旨を履き違えてるんじゃないか、と。
問題は、些細なことの積み重ねだ。
上の話は、その一例にすぎない。こういったことの積み重ねが、僕のCEOに対する不信感に繋がっているということを知ってもらいたい。
言ったことをコロコロ変える、しかもそれを断言する、重要なことを何一つ報告しないくせに、人には報告を強要する。
僕はこの1年で、すっかり変わってしまった。
かつては、会社とともに歩むことに目標と達成感を覚えていたから、残業代なんか無くても全然平気だった。より質の高いものを作ろうと頑張ってきたつもりだ。しかし今、もはや会社のために何かを協力しようなどという気はおきなくなってしまった。
今になって、Mさんの気持ちがわかった気がする(※編集注:Mさんはだいぶ前から仕事に対する意欲を無くしていた)。彼はもうとっくの昔に、そういう状態になっていたのだ、と。このままだと、僕がその後を追う。そして、どんな新人が入ってきても、同じ轍を踏むだろう。
だから僕は、来週の金曜日、キレるかもしれない。
もう退けぬかもしれぬ。
もっと社長のもとで仕事がしたい。社長の思想・信念が広くいきわたった会社で仕事がしたい。もしこのまま、社長が実権を取り戻せずにCEOのワンマン状態に突き進むというのなら、いよいよ進退問題に発展するだろう。そのときは、丹念に仕込んでおいた技を発動する。「大量造反」という技を。
そんなことにならないよう、ただ祈るのみだ。
※コピペおしまい
怒りっぽくなったら危険信号
この後、「来週の金曜日」のXデーに僕がバチギレたかどうかはよく覚えてません。
自分の性格がまるっきり変わったと感じたり、怒りっぽくなったと感じたりしたら危険信号です。人間の精神というのは、ゆっくりと、しかし確実に、坂道を転げ落ちるように蝕まれていきます。このあとに待ち受けているのは、
- バチギレて暴言
- バチギレて器物損壊
- 「会社を辞めればいい」という単純な選択肢が頭の中から消える
- 辞めるか死ぬかという2択に悩む
- ロープを天井からぶら下げて…
うぎゃああああああ! あかんあかん!
過労による残念な事件をニュースで聞くたびに、「会社辞めればいいだけじゃん」って思うでしょ? 今の健康な僕もそう思いますよ、死ぬなんて選択肢を採るわけが無ェ、って。
でも、精神が蝕まれると、ゆっくりとゆっくりと、「会社を辞める」という発想が頭から消えていくんですよ。
僕の場合はまだそんな状態じゃなくて、超初期段階の「バチギレて暴言」にさえぎりぎり達してなかったくらいだったけど、なんかこれ、ほっとくとどんどんヤバくなるやつじゃね? ってうすうす感じてたわけですワ。
そんなわけだったので、第1段階の手前の時点で会社を辞めました。まだ正常な思考ができるうちに。
逃げてもええんやで
会社での仕事や人間関係というのは、時には辛いこともあります。でも、仕事をするというのはそういうことなので、ちょっと嫌なことがあったくらいですぐに辞めたりするのはオススメできません。
苦労を乗り越えて獲得できるものもたくさんあります。
しかし、自分の健康や命よりも大事なものはありません。
「仕事が嫌」というレベルをはるかに超えて、何か自分という人間の性格が闇の方向に変わってきたと感じたら、そこから逃げることも大切です。
簡単に諦めてはいけないけど、正常な思考ができなくなってからでは遅いです。どうかみなさま、進退のタイミングをお間違えなきよう…。
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