桜井日奈子とぷよぷよをした
桜井日奈子といえばこの子。
かわいいだろ! 美少女グランプリやぞ! 岡山の奇跡やぞ!
NHK「沼にハマってきいてみた」
NHKの番組「沼にハマってきいてみた」は、毎週月曜~水曜の午後6:55から放送されている30分枠の番組です。
多種多様のマニアックな趣味を毎回1つずつ取り上げ、その趣味を突き詰めすぎて「沼」にハマってしまった若者たちを紹介するという番組。その「マニアックな趣味」として、ぷよぷよが選ばれたわけです。
放送日の2019年4月8日頃の状況といえば、eスポーツという言葉が多くのメディアで取り上げられるようになり、いよいよeスポーツというものの認知が高まってきた時期。それでもまだ個々のタイトルを1つのコンテンツとして地上波で流すには弱く、「eスポーツ」という一括りでしか見られないことも多かった時期でした。
そんな中、「eスポーツの1つであるぷよぷよ」に的を絞って番組で取り上げてくださるというありがたいお話でした。
ロケのきっかけ
ある日、僕のぷよ仲間の1人(中学生の女の子)にNHKの女性ディレクターさんからDMがありました。上記のようなコンセプトで番組をやっているので、ぷよぷよ好きの中学生として番組に出演してくれないか、と。
こちらは大阪。さすがに東京まで行って生出演というのは厳しい。じゃぁ家におじゃましてインタビューっていう代案もあったんですが、それもちょっと…。そこで、僕たちがいつもぷよをしている小規模なゲーセン「関西ぷよぷよ道場」に来てもらうのはどうかと、僕たちの側から提案してみたわけです。
NHKのディレクターさんから「それじゃぁ一度関西ぷよぷよ道場にお伺いしてみます」ってお返事を頂きまして、ちょうど人が集まる大会の日にわざわざ下見に来てくださいました。
交渉するのはもちろん、その中学生の女の子と、連れのお母さん、そして道場の店長。僕はただ横でやいやい言ってただけですが、ディレクターさんといろいろ話をさせて頂きました。
「最近eスポーツというのが流行り始めていますけど、僕たちは流行る前からずっとやり続けてまして。なかなかこう、例えばプロレスのようなたくさんの観客が居て大きな歓声が沸くような『興行』としてはまだまだというのが現状です。今は観客の大部分が上級プレイヤーなので、大連鎖のようなわかりやすいところで歓声が沸くのではなく、僕たちしかわからないようなテクニックのところで『これはすごい』というような場面で、みんなが『おーっ!』と声をあげるんです。ぷよぷよをどうやってエンターテイメントとして成立させていくかは、まだ僕たちも模索中なんです。」
などなど、ありのままの現状をお話させて頂きました。
そこはテレビのプロ。この状況を「どう見せるか」というプロットが瞬時に頭の中を駆け巡ったのでしょう。そして、3月末に実際に桜井日奈子を呼んで関西ぷよぷよ道場でロケをするということが決まりました。
「沼にハマってきいてみた」の過去回を事前にいくつか見ていたんですが、基本的には「沼」にハマった若者(素人の場合もあれば、その道のプロの場合もある)をスタジオに呼んで、生放送で技の披露やトークをするという内容。生放送じゃない録画日の場合は、スタジオ外でロケを完結させて、それを流すという感じ。
この時点でディレクターさんからは詳しい番組構成を教えてもらえませんでした。それはまだ秘密なのか、それともこれから構成を練るからなのか、とにかく僕たちには何もわからない状態でした。わかっているのは、桜井日奈子が来て、10連鎖を成功させるためのぷよぷよ修行という形でロケをし、ついでにそこに集まってる若者ぷよらーにインタビューをする、ということだけ。
番組の過去回の構成から考えて、道場だけで30分っていうのはありえない。それに生放送の日だから、スタジオで誰かが何かをやるのがメインになりそう。ということは、使われる映像はせいぜい5分、いや下手すると30秒程度かも?
桜井日奈子が来る!
それでも僕のテンションは爆上げでした。あの桜井日奈子が来るんだよ! 岡山の奇跡だよ! えっ、お前ら知らないの!?
遡ること3年前の2016年頃、なにげにドラマを見てたときに桜井日奈子が出てて、「えっ、この子かわいい」って思って速攻で名前を検索しましたよ。だからよく知ってるんですよ僕は。このロケの件ではじめて日奈子を知ったお前らとは年季が違うんだよッ!
さてさてそんなわけでロケが決まったんですが、1つ問題がある。「沼ハマ」は若者向けの番組で、沼にハマった若者にフォーカスを当てる番組だというのに、関西ぷよぷよ道場にいつも来るのは僕も含めておじさんばかり。一番若くて20歳~23歳くらいの層が数人、その他はたまに来る30歳前後が多数と、40歳超えのおじさん常連というありさま。
これは困った。これでは絵にならない。先ほども言ったように、NHKが交渉している「我々側」の人間は、中学生ぷよらーのお母さんと道場の店長。僕は関係ないといえば関係ないんですが、どうにかこのロケで「撮れ高」を持って帰っていただきたい。
そう思い、関西ぷよらーの中で特に(僕の独断と偏見で)美男美女と思われる人達に声をかけました。この日道場に来てくれないか、桜井日奈子に会えるぜ、ついでに焼肉もおごるから! NHKからの緘口令が敷かれる中、僕が勝手にイケメンだと思ってる人をターゲットにDMを送りました。
ロケってこんな感じなのか
我々一般人というのは、テレビのロケというのがどんなものなのか全く想像が付きません。ロケと言ってもアレですわ、街ぶらロケで小さな居酒屋に入って客がちょっとだけ映る、程度の規模ですけど。
とりあえず、最低3つのグループが居たと思います。前述のNHKのディレクターさんはどうやら1人。他はカメラなどの機材を用意したり場の流れを仕切ったりする制作会社(?)の人達。名刺ももらいましたが、NHKとは完全に別会社でした。ディレクターさんと制作会社の人達がいろいろ前準備をして、僕たち客は大体いつものようにぷよぷよ。でも一応、カメラの通る道に、僕が用意したイケメン共が映るように配置しました。お前とお前はここ座っとけ。
そして最後に、日奈子のグループが来ます。よくわからないけど、マネージャーとかスタイリストとかでしょうか。考えてみれば当たり前のことなんですが、みんな一緒に「NHKです」って来るわけじゃないんですね。テレビはテレビ、芸能事務所は芸能事務所。
「あんまり動くな」と言われていたので、後ろで日奈子が「うわー、たくさんぷよぷよしてる人がいるう~」って言ってるときも振り向くことはできませんでした。カメラ回ってますしね。それに、あの狭い店内でカメラの動きを邪魔するわけにはいきませんし。
カチンコを持ったディレクターさんが「よーい、スタート!」とか言うのを想像してたんですが、基本的に撮影は垂れ流しで、あとで使えるところを使うという感じのようでした。なので、いつメインの撮影が始まったのかよくわからず、「動くな」の指示がいつ解けたのかがよくわかりませんでした。
そんなこんなで日奈子の10連鎖修行が始まったんですが、PSぷよスポとACぷよ通は操作性も画面も大きく違うので、だいぶ苦労していたようです。特にACレバーの操作が。さらに、ACぷよ通の対CPU戦は、初心者にとっては1面でもなかなか敵が強い。おじゃま1個でも落とされたら連鎖が混乱してしまう初心者にとっては、1面のスケTですら驚異です。
これではマズいってことで、対CPUじゃなくて対人対戦にして、僕が相手になりました。何をするかって? そりゃぁ当然、真似ぷよですよ。相手に1個のおじゃまも降らせずに延々と対戦を継続させる技術、真似ぷよ。それくらいなら僕でもできますし。
このカメラの反対側で日奈子とぷよぷよ対戦をしてるのは僕ですよ。何回も何回も、いっぱいぷよぷよしたあ~^^
んで、見事10連鎖成功となり、この笑顔。みんなもうれしくて、うおーうおーと大歓声が沸きました。これが芸能人で無くても、テレビのロケでなくても、僕たちぷよらーってのはこのように誰かが何かを成功させるのが大好きなんです。初心者だからだとかレベル差だとかそういうのは関係ありません。本心から、自分のことのように喜ぶんですよ、僕たちは。
しかしここで鬼だったのがNHKの女性ディレクターさん。あくまで本番は4月8日の生放送で、そこで10連鎖を成功させるというのが目標。収録のほうは終わったというのに、まだ時間に余裕があるからってことで、「日奈子ちゃん、もう少しぎりぎりまで練習しとこっ」と、スパルタ教育。
まじかよ、もし僕が同じくらいのレベルだったとしたら、「まだだ、もっとやれ!」とか言われたらネを上げてしまいますよ。鬼や、鬼ディレクターや…。
最後いろいろ終わったときに、日奈子に話し掛けて、握手してもらいました! もうこの手は一生洗わない。ちょうどこの収録の何日後かに、松本清張原作の3時間ドラマに出演されてる分が放送されるということで、そのことを教えてもらいました。もちろんがっつり見ましたよ。
あと最後に集合写真も撮ったんですが、事務所からの要請でSNS公開はNG。でも、ちゃんと大切に残してますよっと。
沼にハマってきいてみた放送
この収録のことは直前まで緘口令が敷かれていたんですが、1週間前くらいからはしゃべっていいということになってました。
そしたら、momokenのツイートに「沼にハマってきいてみた」の生放送に出演するという話が。おお、なるほど、スタジオ側はそういう構成になってたのね。
momoken、もこうさん、あめみやたいようさんが生出演されるということで、なるほどこれで一安心。だって、道場の収録だけで30分の尺はありえないでしょ。なにかそれなりに「絵」になるスタジオ収録が無いとマズいだろうと思ってたんだけど、この3人なら安心だ~。
緘口令のせいで、お互いがお互いのことを知らなかったみたいですね。
日奈子ーっ! よくやったね!
あれから1年
この放送から約1年の現在。eスポーツはますますメディアに取り上げられるようになり、多くのプレイヤーが芸能人とのコラボ出演などを果たしています。
ガチプレイヤーが守り続けた「ぷよぷよの楽しさ」の根本部分を失うことなく、そこに何をどのようにプラスすればメディア露出もできるエンターテイメントとして成立するかを、多くの人が毎日毎日考え続けた結果だと思います。
そのような「ガチとエンターテイメントの両立」に関しては、僕にはそのような感性があまりありません。常に先頭を切って「eスポーツ」というものを今なお作り続けている方たちに、感謝感謝です。
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