帳簿と領収書の保存
青色申告では、仕訳帳や総勘定元帳などの帳簿の他に、領収書なども保存しなければいけません。保存期間は7年。さて、どうやって保存しようか。
帳簿の保存
青色申告では、以下の帳簿を作成して保存する義務があります。
- 仕訳帳
- 総勘定元帳
- 現金出納帳
- 預金出納帳
- 経費帳
- 売掛帳
- 買掛帳
- 固定資産台帳
これらは確定申告時に提出したり見せたりする必要はありませんが、ちゃんと作成して保存しておかなくてはいけません。また、紙にプリントアウトして、紙媒体として保存しなければいけません。
電子帳簿保存法という法律があって、紙媒体ではなく電子データでの保存も可能なんですが、適当にPDFでPC上に保存しておけばいいというものではなく、いろいろと要件が厳しいです。また、電子帳簿で保存するには、その申請も必要になります。年々要件が緩和されてきているようですが、まだまだ我々がイメージする「印刷する前のPDFで保存しておくだけ」というレベルには到底達していません。
従って、本ブログでは紙媒体での保存方法を紹介します。保存義務があるのはその紙媒体ですが、自分用にPDFでも保存しておくといいでしょう。
保存が義務付けられている期間は、青色申告の場合は7年です。ただし、年間所得が300万円以下の場合は5年です。
この帳簿類は弥生の青色申告のような最強天才会計ソフトで作成するので、一旦PDFで保存したあと、A4の紙に印刷することになります。
んで、僕が確定申告を始めた初年度は、こうやって印刷した紙1枚1枚に2穴パンチで穴を空けてファイルに綴じてました。しかしこれ、面倒くせぇ!
パンチで穴を空ける分だけ印刷の余白を計算しておかないといけないし、紙の縁で手を切りそうだし、いいことが一つも無い。でも、なんかドラマで見たことあるような気がしたんだよ、こういうのをペラペラめくって、「ここの数字はどういう意味ですか、半沢融資課長!?」とか言ってるシーンを。
一方、最近の帳簿はこちら。
クリアポケットっていうんですかね? 透明のポケットにA4の紙を入れて、それをファイルに綴じていく感じ。オフィス文具店に大量に売ってます。ふにゃふにゃのやつとしっかりしたやつがあるので、できればしっかりしたやつがおすすめ。
見積書・注文書・請求書等の保存
取引先や仕入先とやり取りするときの見積書・注文書・請求書の類は、自分が発行するものも相手が発行するものも、基本的にA4の紙に印刷されたものです。同じように、クリアポケットにすぽすぽ入れてファイルに綴じておきましょう。
これらも、保存期間は7年(または5年)です。
領収書の必要性
まず領収書やレシートについてですが、事業で何かを購入して経費として申告する場合は、基本的に領収書やレシートの保存をしなければいけません。
「基本的に」と書いたのは、例えば電車の近距離切符やバスの運賃など、領収書の発行が困難な場合は、必ずしも領収書の保存が必要とされているわけではないからです。
そういう場合は、事実に基づいて、出金伝票というのを自分で書くのが一般的です。
ですが、何も出金伝票を書くことが義務付けられているわけではありません。何にお金を使ったかがわかればいいので、Excelのオレオレ一覧表でも問題ありません。
日付 | 勘定科目 | 金額 | 摘要 | 支払先 | 備考 |
2019/11/1 | 旅費交通費 | 240 | ○×工業様打ち合わせ | JR西日本 | A駅→B駅 |
2019/11/1 | 旅費交通費 | 240 | ○×工業様打ち合わせ | JR西日本 | B駅→A駅 |
2019/11/17 | 旅費交通費 | 240 | ○×工業様打ち合わせ | JR西日本 | A駅→B駅 |
2019/11/17 | 旅費交通費 | 240 | ○×工業様打ち合わせ | JR西日本 | B駅→A駅 |
また、よく言われるのが、「レシートはダメだけど領収書ならOK」というやつですが、アレは大体都市伝説です。印刷されてべろべろんっと出てくるレシートでも、全然大丈夫です。
今の時代のレシートは、日付・代金の受領者名・商品名・税率などがしっかりと印字されて出てくるので、下手な手書きの領収書よりもレシートのほうが良いとされています。
とにかく、経費として使った金額と内容がしっかり書かれていれば、自分自身が書いたものでさえも十分に証明力があります。ただし、ウソを書いたりすると架空経費になってしまうので、それだけは絶対にやってはいけません。
領収書もやはり、保存期間は7年(または5年)です。
領収書の保存方法
ホテルの領収書やネットショッピングの領収書はA4の紙に印刷されることが多いので、さっきのクリアポケットにすっぽんすっぽん入れておけばOKです。
ところが、一般的なレシートは、細長くて小さくてサイズもバラバラ。そしてふにゃふにゃ。どうやって保存するのがベストでしょうか?
よく、「台紙に貼ってファイルに綴じておきましょう」みたいなことを耳にしますが、そこまでする必要はありません。ノリで貼るとべっとべとのぬるぬるになりやすいので、それがまず嫌です。僕は嫌です。
というわけで、封筒にごっそり入れちゃいましょう。
封筒は入れすぎるとかさばるので、領収書の量に応じて1ヶ月ごととか半年ごととか、適度に調整しましょう。
クリアポケットに入れるときは、他にA4の領収書があれば同じポケットに入れて大丈夫ですが、無いときは白紙のA4の紙を1枚入れておきましょう。でないと、クリアポケットがふにゃふにゃになります。
注意点としては、レシートの印字内容はこすれて禿げる可能性があるので、内側に二つ折りにしてから封筒に入れておきましょう。
もう一つ注意点。領収書は、封筒に入れる前に必ずExcelか何かのオレオレ一覧表に内容を記録しておきましょう。帳簿への記帳は、オレオレ一覧表を見ながら行うようにします。領収書というのは税務的には保存義務のある紙ですが、一度封筒に入れたものを取り出してあれこれする必要はありません。パソコン時代の民は、自分でわかりやすい方法で帳簿を作ればいいんです。
たかが紙、されど紙
紙がどうのこうの、保存がどうのこうのと言うておるのは税務署です。それはそれとしてきちんと義務を果たしながら、自分が自分のためにわかりやすく袋に入れたりパソコンで処理したりするのはなんら問題ありません。
すばやくわかりやすく、自分なりにいい方法で帳簿を作りましょう。
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