就職活動をしたことがない
僕は人生で一度も就職活動をしたことがありません。採用面接を受けたことも無いし、内定通知とかいわゆるお祈りメールとかも受け取ったことがありません。
それでもなんとかやっていってます。こんな生き方もアリじゃない?
24歳
大学を1.5留したあとは、回胴式遊戯で生計を立ててました。ぐるんぐるんリールが回って、7が3つ揃ったらおかねがもらえるアレです。生活はできてましたが、要するにニートです。
そんな折、友人のA君がたまたま新幹線の食堂車(※多分この年が食堂車の廃止の年?)で相席になった会社社長と意気投合して、その社長がちょうどプログラマーを探していると。
僕が趣味でプログラミングをやっていることを知ってたA君はその会社社長に僕を紹介してくれて、就職することになりました。当時生やしていた顎ヒゲを全部剃りました。
25歳
その会社は社長一人と社員2人と、あとは謎の社外協力者が数人という超小規模な会社。それでもしっかりおちんぎんを頂いていたので何も不満は無かったんですが、不幸なことに社長がガンで亡くなってしまいまして。
社長の天才的な技術力でもってた会社なので、その会社は畳むことに。
そのとき、謎の社外協力者の一人が、僕の次の就職先を斡旋してくれました。ありがたや、ありがたや…。
今風の言い方をするとベンチャーなその新しい会社E社は設立2年目のソフトウェア開発会社。そこの業務内容は、Webとかスマホとかいう「ソフトウェア」と聞いて想像しがちな分野ではなく、ニッチなスキマ産業でした。
でも、プログラマーとして仕事を続けられるってことで、ほんとありがたい話です。
36歳
順調にスキルを磨きながら11年。まぁいろいろあって辞めました。音楽性の違いってやつ?
だいぶ僕も病んでいたので、先のことは知らねぇ、とにかくこの働き続ける毎日から一旦距離を置くんだ。プログラマーという仕事は好きだけど、労働というものを一旦休憩したい。
最後はもう、有給なのか無給なのかわからん欠勤状態のまま、退職となりました。
流されるままにフリーランスに
普通はここで、ゼロから仕事を探さなくてはいけません。でも、わしゃぁもう疲れたよ…。課金ネトゲで貯金を食い潰しながらニートでもしますワ…。
と思ってたんですが、元居たE社の顧客のうちのY社が、「僕の居ないE社に仕事を出す意味が無い。僕に直接仕事出す」って言ってくれて、仕事を直接請けることに。E社の売上のうちY社が占める割合は低かったので、いろいろ交渉が(多分)あった後、そういう形になりました。
これって、よく独立して起業するときにあるパターンです。顧客を引き連れて独立。元会社にしてみれば面白くない話ですわな。でも僕の場合は「独立」なんていう大層なモノじゃない。課金ネトゲ漬けのニートがとりあえず食い繋いでいるだけ、という状態です。
Y社は、僕が個人事業主になるにあたって、いろいろ手続きのやり方とか確定申告が必要だよーとか、親切に教えてくれました。
まぁでも、貯金食い潰したら終わりだし、どうせ長続きしないだろうから、いつか別の仕事を探さないとね。深夜のコンビニ夜間店長でもやるか…?
そんな状態だったので、会社を辞めてから1~2年は誰にも辞めたことを言えませんでした。
元会社からも
キレ辞め同然で退職し、しかも顧客まで奪ったこの僕。元居たE社にとっては憎き僕ですが、E社のプログラマーとしての仕事のうちいくつかは、僕でなくてはできません。
そんなわけで、E社を辞めてからも、E社から案件単位で仕事が来るようになりました。会社と社員という関係から、元請と下請という関係に変わったわけです。E社内ではそりゃぁこんなやり方を面白く思わなかった人も居たでしょう。でも、他ならぬ社長が、病んでキレ辞めてニートになった僕を気遣ってくれて、不満とか一切無く僕に仕事を出してくれるようになりました。
その社長とは今でも良好な関係が続いています。
さらに、売上比率の少なかった顧客Y社が異常に急成長して、E社にとっては「手放して損した」というくらいの案件の数に。ああ、なんかほんますんません、僕のせいじゃないので…。
41歳
大した稼ぎは無かったですが、それでも餓死しない程度には仕事を頂いていました。少しずつ「自分はフリーランスだ」っていう自覚も出てきて、「実は会社を辞めて一人でやってまんねん」と隠さず言えるようになりました。
そんなとき、E社の若手プログラマーが全員退職し、E社は実作業部隊の居ない管理職だけの状態に。
それでもE社としては顧客のために仕事をしないといけない。なので、僕に対する依頼の量が激増。社員時代の給料を超える仕事の量になってしまいました。
なんもしてないけど
結局、人生で一度も就職活動をしたことがないし、フリーランスになってからも自分から仕事を見つけたりビジネスを立ち上げたりしたわけじゃない。
なんもしてないけど、なんかうまいことやれてます。
思えば僕は、バイト時代も含めて、なんかわからんけどやたら「社長」という立場の人に気に入られてました。
僕は特に魅力のあるしゃべりの上手いキャラでもない、っていうかしゃべりは下手なほう。9時17時の週5日を働ける体力も無い。バリバリの社会人像とは真逆のキャラだ。
一つ思い当たるフシがあるとすれば、僕は、自分以外の全ての人を多かれ少なかれ尊敬している。他人というのは、自分とは違う何かを必ず持っているので、そこに注目しようとするクセがある。人付き合いは下手だけど、下手なだけであって、人は好きだ。そういう気持ちが僕から漏れていたからじゃないだろうか。
ビジネスのことはいまだに全然わからない。でも、人を好きになって、人に感謝して生きていれば、きっといいことがあるんじゃないかと、そう思って今も生きています。
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